
新型コロナウイルス感染症のパンデミックから人種正義に対する懸念、大退職時代における離職率の上昇など、職場のフラストレーションがかつてなく高まる中、リーダーは難題に直面している。チームメンバーが怒りの感情を抱えているのだ。リーダーだからといって、メンバー全員が常に幸福であることに責任を負っているわけではない。しかし、彼らを成功に導くためには、信頼と心理的安全性の文化を構築する責任がある。本稿では、チームメンバーが怒りの感情を抱いていると気づいた時、リーダーが取るべき4つの対応策を提案する。
近年、職場の不安定さが増していることから、長期的なキャリアに関してだけでなく、日常業務を行なう中で、自分が漂流しているように感じる人がいても不思議はない。その不安感からフラストレーションが生じれば、冷静さを保つことは難しい。
このような状況に置かれ、リーダーはひときわ手強い課題と対峙している。メンバーの怒りの感情が、自身のリーダーシップの有効性を損なうことがないように、チームの心理状態を管理することが求められているのだ。
職場で怒りを感じたり、冷静さを失ったりすることは、最近見られるようになった現象ではない。多くの研究によれば、人生を通して重圧を経験することは数多あるが、その中でも仕事のストレスは最大の要因になるという。加えて、ギャラップの最近の調査では、米国の労働者が日常的に怒りやストレス、不安、悲しみを感じる割合は、この10年間で増加していることが明らかになっている。
しかし、ここ数年は特に、従業員とリーダーはフラストレーションを痛烈に感じている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続く中で働く必要があったり、人種正義に関する懸念を強く抱いたり、職場の離職率が大幅に高まっていたりすることが原因だ。
最近の研究によれば、リーダーと従業員の間で在宅勤務をめぐる衝突が増えており、ハイブリッドワークに関連するチーム内の摩擦は、これからよりいっそう強まることが予想されるという。
チームリーダーだからという理由で、メンバー全員が常に幸福でいられるように導く責任を負っているわけではない。しかし、信頼の文化と心理的安全性の文化を構築する責任はある。本稿では、チームの動揺に気づいた時、リーダーが取るべきいくつかの対応策を提案する。