●学びたいという意図を持って、メンバーの怒りの感情に耳を傾ける
チームメンバーや自分自身を責めることなく、メンバーがフラストレーションを抱いているという事実を受け入れることで、クリアな思考とオープンな気持ちで問題に対処できる。
メンバーの怒りの感情を抑え込んだり、無視したりしてはならない。そうではなく、さらに多くの情報を求めることだ。その行動を通じて、あなたがメンバーを大切にしていることが伝わるだろう。
また、恐怖心ではなく、理性を持って問題に対処するために、職場の怒りの感情にまつわる概念をリフレーミングすることも重要だ。チームメンバーが怒りを抱いているからといって、自己弁護に走る必要がないのと同じように、すべての怒りを悪いものだと決めつける必要はない。
もちろん、他人の身体や感情を傷つけるような怒りは容認すべきでない。しかし、そのような有害なケースを除けば、怒りは人間に不可欠な感情だ。その感情を上手に管理できれば、チームのモチベーションを高める触媒にもなりうる。
チームメンバーが恥をかいたり、報復される心配をしたりせず、あなたに不満を吐き出すことができる安全な場を設けよう。そのうえで問題の新たな解決策をともに模索し、誰もが恩恵を受けられるように奨励するのがよい。
たとえば、次のように言うことができるだろう。
「あなたが怒りを感じているのは理解しています。ほかの誰かを傷つけない限り、本当の思いを私に吐き出しても問題はないと、知っておいてほしいのです。チームメンバーの一人ひとりが、どのような感情を抱いているとしても、それを抑え込むのではなく、メンバーを支えたいと思っています。
私の意見を差し挟むことなく、学びたいという意図を持って、あなたの話を聞くことを約束します。ただし、何か変えたいと思うことがあるならば、あなたの力になるために、私を助けてください。つまり、あなたの怒りの原因のうち、管理したいものはどれかを聞かせてほしいのです。そして、その問題を解決するために、私にできることを具体的に教えてください」