
ハイブリッドな勤務形態が、多くの組織で標準になることは確実だ。この変化に大きな期待が寄せられる一方、不安も感じている人も少なくない。従業員はどのような点に懸念を示しているのか。彼らの不安は、筆者らが「5Cチャレンジ」と呼ぶ領域、すなわち「コミュニケーション」「コーディネーション」「コネクション」「クリエイティビティ」「カルチャー」の5つの領域に分類される。本稿では、5Cの課題について理解を深めたうえで、自社の現状を評価し、問題解決に向けた行動を起こすための指針を提示する。
これからの働き方について、はっきりしていることが一つある。少なくとも短期的には、そしておそらくはかなり長い間、ハイブリッドな勤務形態がテクノロジーから製薬、アカデミアまで、さまざまな業界の多くの組織で標準になることだ。
対面での勤務とリモートワークの融合に多くの企業や組織が期待を寄せているのには、それなりの理由がある。そして、この変化に多くの人が不安を感じているのもまた、同じように理由がある。
筆者は25年近く、グローバルチームやバーチャルチームワークについて研究してきた。最近ではエグゼクティブ教育に携わり、シニアリーダーやミドルマネジャーと会話をする中で、ハイブリッドワークについて同様の懸念を頻繁に耳にするようになった。そして、卒業後の就職を考えているMBA課程の学生や学部生も、同じことを口にする。
彼らの最も重大な懸念は、筆者が「5Cチャレンジ」(5Cの課題)と呼ぶものに分類される。すなわち、コミュニケーション、コーディネーション、コネクション、クリエイティビティ、カルチャーだ。
企業やマネジャー、従業員の中には、地理的に分散したバーチャルチームで何年、何十年と働いており、5つのCを以前からよく知っているという人もいるだろう。彼らの経験や、パンデミックの前から経営学者が取り組んできた研究から、私たちが学べることはたくさんある。
ハイブリッドなチームや労働力の管理に苦労しているならば、まず5つのCを理解したうえで、5Cチェックリストを用いて、現状および今後の方向性を見極めてほしい。