5Cチェックリスト
5Cの課題がすぐに解消されるとは思えない。むしろ、積極的に課題を認識して管理しなければ、改善されるどころか悪化する可能性が高い。では、リーダーに何ができるだろうか。
筆者は最近、米国、欧州、中南米、アフリカ、アジアの企業やマネジャーを対象にしたエグゼクティブ教育の中で、参加者に5Cチェックリストを用いて情熱的かつ創造的な会話をしてもらうようにしている。このプロセスには4つのシンプルなステップがある。
●評価
5Cのそれぞれについて、自社のリモートまたはハイブリッドな職場、部署、チームがどのように機能しているか、自己採点する。A~Eのようなレターグレードによる評価でも、1~10の点数でもかまわない。ここでの目的は、採点結果に基づいて、それぞれのCが良好な状態にあるか、あるいは改善の余地があるかなど、自分の考えをまとめることだ。
●分析
評価が最も低いCを特定する。これはあなたが注意を向けることで最も恩恵を得られる領域であり、インパクトの大きな変化を起こす最大の起点となる。続いて、そのCに関する根本的な問題を分析する。そして、評価が最も低いのはなぜかを考える。
たとえば、コミュニケーションの評価が最も低いのは、一部の人に発言が集中して、他の人が十分に発言できていないことに気づいたからかもしれない。クリエイティビティの評価が最も低い場合、問題は集団的創造性か、それとも個人の創造性か。そのうえで、評価が満点ではなかったCについて、評価が低い順に一つひとつ検討を進める。
●計画
最も評価が低いCから順に、その領域を改善するために何ができるかを考える。そして、明らかになった問題点を解決するために、3段階から成るアクションプランを立てる。
たとえば、最も弱い領域がコーディネーションの場合には、重要な意思決定のすべてに全員が参加できるよう効率的な方法を考えたり、リモートで働くチームメンバーと定期的かつ体系的に情報共有するためのセッションを新たに計画して、スケジュールに入れたりできるだろう。3段階のアクションプランの実行を妨げる潜在的な障害を特定し、それを克服する方法も考える。他のCについても、これを繰り返す。
●実践
改革の計画を実践するための明確なスケジュールを定めて、コミュニケーションプランを準備する。数週間かけるのか、あるいは数カ月かけて行うのか。どのような順番で行うのか。それぞれの段階で誰に相談し、情報を提供するか。その方法はどうするか。
続いて、改革の効果を測定するための主要指標を設定する。たとえば、カルチャーに関する進捗状況を把握するために、アンケート調査を実施する。コネクションを改善する一環として、若手従業員と定期的に面談し、彼らのメンターやネットワークについて質問するのもよいだろう。
最後に、改革がどの程度順調に進んでいるかを把握するために、定期的に検証するタイムフレームを決めておくことだ。たとえば、半年に1度、進捗状況の把握と見直しを行なう。