チェックリストの使い方
これら4つのステップは、あなた自身が行うことも、チームで取り組むこともできる。忙しいスケジュールの中で、5Cのそれぞれに集中する時間を確保するだけでも、思いがけない気づきがもたらされ、変化を起こすための新たなエネルギーが湧いてくるだろう。
たとえば、5Cチェックリストを用いて自分のチームを分析したあるシニアマネジャーは、コネクションについて熟考していた時に「光が差した」という。チームの離職率が高いのは、パンデミックによるバーンアウト(燃え尽き)や他社の給与水準の高さのせいだけでなく、この2年間でチームメンバー同士の社会的つながりが弱まり、チームに対するコミットメントや会社に対する帰属意識が薄れているからという現実に気づいたのだ。
一連のエクササイズをチームのメンバーと一緒に行うと、より大きな効果を得られるだろう。自分一人でチェックリストを進めるのではなく、チームでランチセッションの予定を組んだり、チーム全員のスケジュールをブロックして時間を確保したりするとよい。あるいは、本格的なワークショップに組み入れることもできる。
エクササイズは対面で行うことが理想だが、リモートでもかまわない。目的は、それぞれのステップを一緒に行うことだ。
まず、メンバーの一人ひとりが、5Cについてそれぞれチームを評価する。次に、全員の評価を共有して、その理由を話し合う。自分とはまったく異なる分析をする人がいて、驚くかもしれない。
たとえば、筆者が協働したあるリーダーシップチームは、カルチャーの評価についてチームメンバーの間でかなりの温度差があった。パンデミックでリモートワークを余儀なくされる前から会社にいるメンバーは「A」または「Aマイナス」と評価し、会社の文化はまずまずの状態だと考えていた。自分たちは会社の中心となる価値観を難なく表現でき、他の誰もが同じようにできるはずだと述べた。
一方で、勤続年数が短いメンバーはカルチャーに関する評価がはるかに低く、会社のコアバリューや規範に戸惑いや不安を示したが、それを話題にするのをためらっていたという。このような不一致の理由を理解することは非常に有益であり、それについて議論するだけでも信頼関係を築きやすくなり、今後の改善に向けてより強固な基盤ができるだろう。
最後に、明らかになった問題点を解決しうる方法についてブレインストーミングを行い、それらを実践する共同計画を立てるための時間を十分に取ることだ。一緒に議論することで、よりよいアイデアが生まれ、大きな賛同を得て、ともに前進できるはずだ。
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ハイブリッドな勤務形態は、これから導入しようとする人にとっては気が遠くなるような挑戦であり、すでに導入している人には困難をもたらしている。しかし、私たちはすでに、最大の障害はどこにあるか、それらをあらかじめ最小限に抑え、問題が起きた時にどう対応すればよいのかを、現在進行形で学んでいる。
リーダーは5Cチェックリストを用いることで、ハイブリッドワークがもたらす一般的な課題に取り組み、優先順位を設けることができるのだ。
"5 Challenges of Hybrid Work - and How to Overcome Them," HBR.org, February 15, 2022.