
あなたはリーダーとして、会議の時間を有効活用しているだろうか。会議をリードする立場であろうと、出席者の一人であろうと、リーダーとしてどのように貢献すべきかを考えなければ、参加者の時間を無駄にするだけでなく、自分自身の時間も浪費しかねない。本稿では、会議の質を保ちながら、自分の時間とエネルギーを最大限活用するために、5つの戦略を紹介する。
会議は、問題を調査し、新しい道を模索して、行動に合意するためのプラットフォームとなる。また、リーダーのスキルや関心事、マネジメントスタイルをアピールする機会でもある。しかし多くの場合、これらは成し遂げられていない。
あらゆる会議について、そこに参加することでどれほどの見返りが得られるか、自問してほしい。取締役会や経営陣の会議に関しては、特にそれが重要だ。あなたのスケジュールには、会議以外の方法で考え、想像し、コミュニケーションを取るための時間とエネルギーが、どれだけ残されているだろうか。
一部の組織では、無駄な会議をなくそうと「ノーミーティングデー」を導入したり、従業員がみずから意思決定できるようにしたり、会議の計画や進行の方法を改善したりしている。最善の会議とは、目的があり、(本当にその場にいる必要がある人々にとって)包括的で、参加型のものだ。
しかし、会議をリードする立場であろうと、出席者の立場であろうと、自分が会議にどのように貢献すべきかについて、それほど留意しないリーダーがいる。
筆者が協働したマーク(仮名)は、会議に深く貢献し、熱心に耳を傾けていた。だが、実は同じ役割を演じることにうんざりし、熱意の欠如が自分のパーソナルブランドを損なっているのではないかと懸念していた。筆者が会議の戦略について尋ねると、彼は「そんなものはない」と答えた。
会議の質が重視される中で、同僚に最高の自分をアピールし、自分の時間とエネルギーを最大限に活用する機会を得ることは有益だ。下記の5つの戦略が、その助けとなるはずだ。
目的を明確に打ち出す
会議が何を目的としているのか。それが明確でないことは多々ある。議長は冒頭に儀礼的な言葉を述べて、アジェンダを早口で説明する。
BBCスタジオのCEOトム・ファッセルのアプローチは異なる。彼は、アジェンダの項目を組織の戦略的優先事項と位置付け、議論に集中する。また、会議の冒頭では、何をするためにその場にいるかを出席者に再認識させる。そして、「決断を下すには時間がかかるかもしれないが、よりよい決断を迅速に下そう」と、全員に発言を促している。
会議の目的を明確に定めるために、次のような行動を取ろう。
・事前に意見の明確化を促す:全員がアジェンダに同意していると思い込んではいけない。会議の前に、意見を明確にしたり、異議を表明したりするよう参加者に促そう。議論の質が高まり、グループの賛同も得られやすい。
・なぜその会議が重要なのかを説明する:会議では、組織の戦略と方向性に照らし合わせて、議論の関連性、重要性、緊急性を説明する。「この会議では~に近づけるようにしたい」「~に関して重要な決定を下さなければならない」など、達成したいことを明確にする。
・グループに対する信頼を伝える:複雑な問題に取り組む時は(会議はそうあるべきで、そうでない場合は各自で取り組むべきだ)、全員が最高のアイデアを共有する必要がある。過去の成功例に言及するなどして、参加者の能力を信じていることを示し、前向きな姿勢にさせる。「~について私たちは素晴らしい議論を行いました」などと述べるといい。
・自分をどう見せたいのかを考える:自分自身の目的を定めることも忘れてはいけない。自分の貢献を通じて、他の人に何を考え、感じ、行動してもらいたいか。これまでの会議で自分が与えた影響から、どのような教訓を得られるか。