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キャリアの選択肢がますます多様化する中、所属する組織に完全に縛られることはなく、フリーランスとして不安定な状況に置かれることもない、第3の選択が注目を浴びている。それが「企業内ノマド」だ。会社とフルタイムの雇用関係を維持しながら、別の国や地域で展開されるプロジェクトにパートタイムで参加するのだ。この新しい働き方は、個人のキャリアの成功につながるだけでなく、組織にも大きなメリットをもたらす。本稿では、企業内ノマドを実践するために、個人と組織がそれぞれ何をすべきかを示す。
筆者は現在、素晴らしい組織にパートタイムで深く関わりながら、基本的にはフリーランスとして働いている。そして、いまのキャリアステージを大いに楽しんでいる。
ただし、ここに到達できたのは、伝統企業でキャリアを積んだからでも、フリーランスで働いてきたからでもない。筆者が「企業内ノマド(遊牧民)」と名付けた働き方をして、素晴らしい30年間を送ってきたおかげだ。この企業内ノマドというキャリアの選択肢は、今後ますます人気が──そして魅力も──高まっていくことだろう。
企業内ノマドとは、組織との間にフルタイムの雇用関係を維持しながら、雇用主のグローバルネットワークの枠内で、地理的に離れた地域のイニシアチブやプロジェクトにパートタイムでの参加を増やしていく人々を指す。