●優れたフィードバックプロセスを確立する

 エヌフォーメーションとフェアリーグッドボスが2021年に実施した調査では、有色人種の女性の60%が自分の会社に対して、職場で起きる人種差別的な出来事に対処する準備ができていない、と感じていることがわかった。また、パウハー・リディファインドの調査では、回答者の97%が、企業は職場の人種差別や他の差別行為を調査するために、より優れたプロセスを確立する必要があると答えている。

 ワシントンの弁護士で雇用問題に詳しいデブラ・ソルティスは、クライアントに「HR部門はあなたの友人ではなく、会社を守るために存在している」ことを忘れないように、と助言している。

 人種差別、性差別、あるいはセクシャルハラスメンといった不適切な行為を通報すると、多くの女性は、マニュアル化されていない申し立ての体裁を整え、周囲からは見えにくい報復行為を証明し、話したがらない目撃者に頼って主張を提示する、という気の遠くなるような作業に直面する。

 オールボイシーズフェイスアップなどのツールを活用し、匿名で通報できる機会を提供することで、従業員は自分が声を上げても罰せられることはないと確信できる。さらに、エイチアールプライズベター・アップなどの組織を通じて、外部のHRサポートやコーチングを提供すれば、有害な職場環境でいま苦しんでいる人々にとっての「精神的な救命ボート」になるだろう。

 ●ビジネスのあらゆる側面にリーダーの価値観を注ぎ込む

 ここ数年、多くの企業でインクルージョンとビロンギングがコアバリュー(中核的価値観)になっている。これは素晴らしいことだが、これらの価値観が従業員の実体験に反映されていなければ、善意は単なるパフォーマンスになり、不信感を生じさせる。

 人材の募集・採用からパフォーマンス管理、チームの交流、目標設定まで、従業員のライフサイクルのあらゆる側面にコアバリューが組み込まれていることを確認するために、価値観の見直しを行う。また、従業員調査を実施して、価値観が浸透しているか否かを把握する。

 リーダーやマネジャーがきちんと実践できているかどうかを確認するには、厳しい質問をすることも必要だ。リーダーは口先だけでなく、行動でフォローすべきである。