サポーティブな言葉を使う
メンタルヘルスの問題を抱えている同僚や、問題を抱えているかもしれない同僚と話す時は、自分が話している内容と話し方に常に注意を払う。
以下に、好ましい言い方(Say)と避けたい言い方(Don't say)の例を挙げる。精神的苦痛の引き金になるポイントや傷付きやすさは、人それぞれだ。注意深く、思いやりを持って接しよう。
●細やかに心を配る
Don't say「あなたの態度(行動、精神状態)について、話をしなければいけない」
Say「最近、あなたらしくないね。よかったら、話してくれないかな? でも、話したくないという気持ちもわかります」
Don't say「仕事が遅れているみたいだね。なぜ予定通りにできないの?」
Say「仕事は大変な時もあるよ。何か私に手伝えることはない?」
Don't say「あなたが悩んでいるなんて信じられない。だって、あなたはとても強い人間だから。きっと乗り越えられる」
Say「私は○○に悩んでいる。過去に△△だった時は本当につらかった。あなたに何が起きているのか想像できないけれど、大変そうだね」
Don't say「元気を出して」。ありきたりのフレーズを使ってはいけない。
Say「明日は少し気分がよくなっているといいね」
あなたがマネジャーで、休息を取ったほうがよさそうな相手に声をかける場合は、次のような言い方ができるだろう。
Don't say「あなたは少し休む必要があると思う」
Say「あなたはチームの貴重なメンバーだ。私たちにはあなたが必要だけど、休んだほうがよさそうなら休んでもかまわない。パートタイムで仕事をする方法もあるし、在宅勤務もできる。その間も同僚と連絡を取り合うことはできます」。具体的な内容については、会社のポリシーが許す限り、さまざまな方法を提案できる。
●スティグマを避ける
Don't say「あなたは双極性障害だ」
Say「あなたは双極性障害を抱えている人だ」。常に「人」を中心とした言葉を使う。がんと闘っている相手に「あなたはがんだ」とは、けっして言わないだろう。
Don't say「あなたの苦しみはよくわかる」という言い方は、自分も精神疾患を患っていない限り避ける。たとえそうだとしても、精神疾患の経験は人によって異なるため、言葉選びに留意する。
Say「あなたが何を経験しているのかわからないけれど、力になりたいと思っている。私にできることは何かある?」
●相手を励ます
Don't say「よくなっていないみたいだね」
Say「精神疾患は対処することも、治療することもできる。適切なケアチームを見つけて、治療計画を立てれば、前に進むことができる。私はあなたをサポートするためにここにいるのだから、頼ってほしい」
Don't say「きっと、○○と△△を試したほうがよいだろう」。一方的に押しつけてくるアドバイスは、基本的に歓迎されない。
Say「○○が役立つと聞いたことがある/私の場合、前に〇〇が役立ったことがある。もしよければ、一緒に調べてみようか?」
Don't say「あなたはきっと、自分で解決できる。あなたに助けは必要ない。あなたは弱くない」
Say「自分が苦しんでいることを認めて、助けを求めようとするのは、勇気があることだと思う」
●自分も協力する
Don't say「医者に診てもらわないといけない」
Say「医者に診てもらうのがいいかもしれない。会社のメンタルヘルスハンドブックでクリニックが紹介されている。医療保険会社に聞いてみることもできる。もしかすると、あなたにはセラピストが助けになるかもしれない」
Don't say「自分がよくなるために力を注ぐ必要がある」
Say「一緒に乗り越えよう。私たちはあなたのために、ここにいるのだから」





