メンタルヘルスに関する従業員教育に取り組む

 メンタルヘルスの問題に関する教育は、よりよいアライになる基盤を構築する。あなたがリーダーという立場であれば、会社がよりよい教育を提供するよう奨励したり、主導したりすることは、あなた自身がアライになるための大きな動きになる。

 教育プログラムは、大きく2つに分けられる。打ち解けた雰囲気の会合や講堂で個人の経験談を語るもの、そしてワークショップや講義形式で情報を提供するものだ。

 ●個人の体験談

 当事者の経験や個人的な体験談を中心としたイベントは、多くの場合、誰でも直面する問題だと訴えて、共感を生むことができるため、極めて効果が高い。特にリーダーは、メンタルヘルスに関する自分の経験を共有することで、自社の企業文化やポリシーに影響を与えることもできる。

 従業員の体験談は、他の従業員との親和性が高く、最大の影響をもたらすことも少なくない。このようなイベントのスピーカーは必ずしも自社の従業員である必要はないが、この種の議論を先導した経験がある人物が望ましい。

 ●ワークショップや講義

 情報提供を目的としたイベントは、すべての従業員にとって有用な背景知識を提供できる。いくつかの団体が、職場向けトレーニングを提供している。

 なかでも特に人気があるのが、米国メンタルウェルビーイング協議会の「メンタルヘルス・ファーストエイド」コースだ。筆者が理事を務める米国精神障害者連合会(NAMI)ニューヨーク市支部のようなメンタルヘルス関連の非営利団体も、トレーニングを提供している。

 メンタルヘルスの基礎知識、福利厚生に関する情報、信頼できる医療機関のリストなどが掲載されているハンドブックも、有用な情報源になる。追加情報として、NAMIやメイヨークリニックのように信頼できるリソースを従業員に紹介することも重要だ。