自分がマイクロアグレッションを犯したと気づいた時の対処法

 誰かから、あなたの発言が攻撃的だったと指摘されたなら、立ち止まり、最善の対処法を検討する絶好の機会だ。自分自身の感情的知性(エモーショナルインテリジェンス)を駆使して、以下の手順を踏む。

 ●いったん立ち止まる

 人から指摘を受けると身構えたくなるものだが、そのような時は深呼吸して、誰でも間違いを犯すことを思い出す。ほとんどの場合、マイクロアグレッションを犯したからといって、あなたが悪人だというわけではない。これは、同僚にさらなる敬意を持って接し、DEIに関して自分が成長するためのチャンスだ。

 いったん立ち止まり、呼吸を整え、自省する時間を持つことで、感情的に反応したり、軽率な発言で状況をさらに悪化させたりする事態を避けることができる。

 ●明確な説明を求める

 自分の言動がなぜ同僚を怒らせたのかわからない場合、説明を求めて、対話を呼びかける。「どのような意味か、もう少し説明してもらえますか」と言うことができるだろう。

 ●相手の話に耳を傾け、理解を深める

 相手の説明に同意できない場合でも、どのような観点からマイクロアグレッションだと判断したのかを尋ね、指摘された内容に向き合う。私たちは居心地の悪い会話で、真の意味で相手の言葉を理解しようと耳を傾けるのではなく、自分自身が話すチャンスを伺い、隙あらば自分の意見を差し挟もうとしがちだ。

 自分が同僚の視点を理解できたか確認するために、言われたことを繰り返したり、別の表現で言い換えてみたりするとよいだろう。たとえば、次のような聞き方ができる。「私は、あなたから○○(相手の発言を言い換える)と指摘されたと理解していますが、その理解で正しいでしょうか」

 ●過ちを認め、謝罪する

 自分の言動が有害であったことを理解したら、不快な発言だったことを認め、心から謝罪する必要がある。その表現の歴史的背景について知識不足だったのか、あるいは無神経な発言をしてしまったのか。自分の過ちについて、正直に伝えなくてはならない。

 たとえば、次のように言うことができる。「自分がいかに間違っていたか、よく理解できました。私は○○(文化的認識を高める必要があるトピック)について、意識を高めるよう努力します」

 ●フォローアップの場を設ける

 このような難しい対話は、1回で解決に至らない場合が多い。冷静になって話し合うことが必要な場合は特に、自分と同僚との間でフォローアップの場を設け、会話を続けるのがよい。

 たとえば、次のように伝えることができる。「何かお気づきの点があれば、今後もこの件についてお話できると嬉しいです。あなたの視点を教えていただくために、今日はお時間を取っていただき、ありがとうございました」