●環境を考慮する
発言の培養の戦術が最も威力を発揮するのは、アイデアが最初に否定された理由に対応している時だ。
たとえば、承認する権限を持つ人がそのアイデアを重視していない、あるいは可能性がないと考えている場合、増幅は戦術としてふさわしくないが、正当化はアイデアを前進させるために必要な支援となる。権力者にとって重要な何かを手放したり、変えたりするように求めるアイデアの場合は、特にその傾向は顕著になる。このような場合、問題提起に参加することは、共同で問題を提起して解決する機会をつくるために重要である。
アイデアを否定されたり、反対されたりした場合、具体的な状況に応じて複数の戦術を組み合わせることができる。その例として、アライシップ、共同構築、問題化、粘り強さの4つをまとめたのが、以下の図表2だ。
筆者らは、さまざまな業界のリーダーと仕事をする中で、よりインクルーシブでメンバー全員が参加できる職場環境を構築するために、多くの人々が新しい行動を積極的に受け入れている様子を目の当たりにしてきた。本稿で紹介した、発言の培養は、そのようなリーダーたちにとってさらなる行動のレパートリーとなることだろう。
"How the Best Teams Keep Good Ideas Alive," HBR.org, May 18, 2022.