ステップ3:実行

 自社のグリーン・オーシャンを見つけたら、次はそこへ向かって進む段階だ。このステップを成功させるには、ESG目標で高いパフォーマンスを発揮するだけでは足りない。そのパフォーマンスを自社のステークホルダーに上手に伝えることも重要になる。結局のところ、最も重要なステークホルダーにパフォーマンスが伝わらなければ、自社の評判が高まることはないからだ。

 そこで、グリーン・オーシャンを見出したのちに取り組むべきは、自社にとって重要なステークホルダーを特定することである。「社内でこの問題に大きな関心を持つのは誰か」を考えよう。

 レディーのエネルギー使用量の例で言えば、重要なステークホルダーは自社のエンジニアかもしれない。しかし、彼らだけでなく、顧客やそのほかの人々もこの問題のステークホルダーになりうる。

 次に、どのようにステークホルダーに情報を伝達すべきか、具体的な方法を決める。たとえば、マーケティングメール、社内告知、適切なプレスリリースなどが挙げられるだろう。

 最後に、1度告知しただけで終わりにしてはならない。ESGに関連する自社の成果に着目し続けることで、流れをつくり出し、評判を確立することが重要だ。一貫して情報を発信し続けなければ、人々の意識の中に居場所を確保することはできない。

ESGの成功に向けた競争

 自社のステークホルダーがESGに関心を持つ企業にとって、グリーン・オーシャン戦略は、ESG領域で競争していくための理想的な方法といえるだろう。ESGで高いパフォーマンスを発揮することの重要性は、増すばかりだ。

 ライバル企業が存在せず、自社が傑出した成果を上げられる領域を見出し、その領域で実際に高いパフォーマンスを発揮した上で、その成果をステークホルダーに周知することができれば、あなたの会社のESG領域における成功は確固たるものになるはずだ。

 

“Want to Excel in ESG? Craft a 'Green Ocean' Strategy,” HBR.org, June 13, 2022.