●パフォーマンス
タイム・トゥ・コネクトがもたらすビジネス上の成果について尋ねたところ、ハリソンは次のように答えてくれた。
「集まりをとても楽しみにしているという声や『癒し』になるという声が表しているビジネス上のインパクトは、エンゲージメントです。そのカテゴリーのサブセットとして帰属意識と信頼があると思っています」
コミュニティの共創や心から相手を思いやる感覚、そして連帯感が従業員の定着率と密接に関連していることも、研究で明らかになっている。
それを物語る数字もある。タイム・トゥ・コネクトの参加者は毎月200人を超える。彼らはその後も参加し続け、自分らしさを大切にして仕事に取り組んでいる。
北米デジタルヘルス部門を率いる、エグゼクティブバイスプレジデントのダリル・ドラビンスキーは、このイベントに大いに刺激を受け、中絶の権利を認める「ロー対ウェイド判決」が米最高裁で覆されたのを受けて、米西海岸の従業員向けに「タイム・トゥ・コネクト:ウェスト」を開催した。
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タイム・トゥ・コネクトは、従業員が企業に期待する対応や支援をリーダーが提供できるシンプルな方法として、格好の例だ。定期的な儀式を取り入れることで、リーダーは特定のトラウマや動揺を緩和するサポートができると同時に、従業員に自社の価値観を浸透させ、心理的安全性と帰属意識を高めることもできる。
「オーセンティシティ」という言葉が、単なる流行語をはるかに超えて広がる中、儀式は従業員にとってもビジネスにとっても有益な取り組みだ。
"The Hidden Power of Workplace Rituals," HBR.org, August 17, 2022.