
パーソナライズされたマーケティングを
いかに成功させるか
米国人の79%が、企業による個人データの利用に頭を悩ませている。実際、62%が米国のデータプライバシーに関する状況に悲観的で、自分のデータが収集・利用されることなしに日常生活を送ることは「不可能」だと考えている。
たしかに、人々の不安には根拠がないわけではない。2021年だけでも公表されたプライバシー侵害は4145件に上り、220億件以上のデータが漏洩した。
そして、企業トップはこれまで以上に情報漏洩の責任を問われるようになっている。欧州連合(EU)のデータ保護規則(GDPR)の下で、当局は最高2000万ユーロもしくは前会計年度の全世界での売上高の4%(いずれか高いほう)の罰金を科すことができる。2022年10月には、英国の建設会社が2020年のフィッシング攻撃で個人情報11万3000件を流出させたことで、440万ユーロの罰金を科された。
このような事例があると、消費者はブランドに個人情報を共有することを躊躇するはずである。しかし、逆説的ではあるが、消費者は高度にパーソナライズされたマーケティングメッセージを求めている。そして、パーソナライゼーションには、何よりもデータが必要だ。
メールマーケティングを例に挙げると、2020年には全世界で40億人がメールを使用し、消費者の59%が、マーケティングに用いられたメールが購買の意思決定に影響を与えたと答えている。しかし、メールマーケティングが効果を発揮するには、パーソナライズされていなければならない。消費者はその点にこだわりを持っているため、自分に合ったメッセージが送られてきた場合のみ、そのブランドにエンゲージすると72%が回答している。
では、オーディエンスを不快にせず、またブランドと消費者の信頼関係を壊すことなくパーソナライズされたキャンペーンを行うには、どうすればよいのか。以下に3つのヒントを紹介しよう。