2.「生身の人間」向けに最適化する

 メールマーケティングで信頼を得る最善の方法は、ロボットではなく、生身の人間に向けて内容を最適化することである。

 まずは言葉の使い方だ。ロボットが文字を読み上げるのとは異なり、相手はあくまでも人間であることを意識しなければならない。そのためには、メールを声に出して読み、対話しているように聞こえることが重要だ。

 結局のところ、メールはプライベートな場であるため、通常はソーシャルメディアよりも個人的なメッセージを送ることができる。しかし、トーンが「ずれている」と思われると、せっかくのパーソナライゼーションも作為的、あるいは不気味に感じられてしまう。

 目指すべきは、感情反応を引き起こす言葉を使うことだ。まずは、開封率の高いパーソナライズされた件名から始める。そして、常に相手のファーストネームを記すのがよいだろう。データにアクセスできるのであれば、最近の購入品や誕生日などの情報を利用することもできる。

 次に、デザインについてもいろいろと試してみる。色彩心理学の分野は研究が進んでおり、その研究結果はメールマーケティングにも大いに関係する。

 顧客分析に特化した解析ツールを提供するキスメトリクスによれば、消費者の85%が商品を購入する主な理由として色を挙げており、色によって異なる効果が期待できる。青は信頼できるプロフェッショナルな色だと見られ、赤は危険や警報を示すことが多い。

 最後に、ユニバーサルデザインの原則に基づいてメールをデザインすると、多様な嗜好や能力を持つ人々がメールにアクセスするようになる。関連性のある印象的な画像は、受信者がメールの中身を読み込むことを促すが、画像を使用する場合は、必ず代替テキストを追加する必要がある。そうすることで、視覚に障害のある人も、画像が提供する重要な情報を得ることができる。

 加えて、若い消費者の間でインクルージョンは信頼を築くための最良の方法の一つになっている。言うまでもなく、それは正しいことだ。