HBRで振り返るビジネス界における女性の変化
1922年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)が創刊された時、この雑誌の中心的読者と思しき経営者は、言うまでもなく男性だった。ビジネス界において、相当数の女性が高い地位に就く、あるいはこの雑誌の読者になるとは考えられていなかった。しかし、1950年代になると、法律、企業ポリシー、社会規範の変化が進む中、女性が企業経営に果たす役割が大きくなっていることにHBRは注目し始めた。
現在、HBRはあらゆるジェンダーの読者に向けてコンテンツを提供し、ジェンダーに関する偏見や差別、ワークライフバランス、そしてダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)など、経営上の課題を取り上げた論文を定期的に掲載している。
筆者らは、2021年に出版した書籍、Glass Half-Broken: Shattering the Barriers That Still Hold Women Back at Work(壊れかけたガラス:女性の活躍を妨げ続ける障壁を打ち砕く[注1])で、HBRが過去に女性とビジネスをどのように取り上げてきたか詳しく調査した。本稿は、筆者らがこのトピックについて執筆したハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のケーススタディをもとに、HBRのアプローチがどのように進化してきたかをたどる。