セッションの最後にすべきこと
学びを振り返り、重点分野に優先順位をつける
グループとしてセッションから得た主な学びと、チームが取り組むべき優先事項についてまとめる。このプロセスを通じて、物事を少し離れた場所から客観的に見ることができるようになり、実際の業務に没頭している時には気づきにくい、点と点を結びつけられるようになれば、理想的だ。
例を挙げると、「チームに適切な人材を採用するために、リードタイムを増やす」「製品不足を防ぐために、サプライヤーの多様化を進める」「顧客ニーズに関するチーム内のコミュニケーションを改善する新たなプロセスを導入する」「一貫性を保持しつつ、自社ブランドのポジショニングを適切に反映した価格ガイドラインを維持する」といったことである。
次のステップとフォローアップを明確にする
学びと優先順位がはっきりしたら、それぞれの優先項目について次のステップに向けた行動計画を作成し、それぞれの行動の責任者と、完了までのタイムラインを明確にする。
「誰が、いつまでに、何をするのか」を具体的に決めることで、ミーティング後にすべきことについて曖昧な部分を残さないことが重要だ。たとえ、初回のミーティングに時間的制約があったために、ある優先事項の次のステップが「もう一度ミーティングを開催して議論を続け、関連する行動を決めていく」になったとしても、である。また、次のミーティングを一定期間内に設定する責任者も明確にしておくことが欠かせない。
加えて、それぞれの優先事項について、行動計画のプロセスをさらに具体化し、年間を通じて定期的にフォローアップを行う必要がある。問題が生じた際に対応し、軌道修正を行うには、いつ、どのくらいの頻度で目標や優先事項の進捗状況を確認すべきか。チームメンバーは週次のスタッフ会議で報告すべきだろうか。それとも、毎月もしくは四半期ごとに確認するほうがよいだろうか。
チームにサマリーを送る
ミーティングを通じて得られた重要な学びや行動計画、責任の所在についてのサマリーをチームに送る。そうすることで、不正確な情報があれば誰でも修正でき、全員が同じ情報と理解に基づいて行動できる。また、今後1年間のチーム目標に向かって取り組む際に、メンバーが能動的に成功要因とリスクを監視できるようになるはずだ。
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チームとして学びを重ね、改善を続けていくためには、前年にうまくいったこと、うまくいかなかったことについてのオープンな議論が不可欠だ。また、将来の失敗につながる落とし穴や成功につながる機会を、現実的に評価することも必要になる。本稿で紹介したアプローチを用いて、プレモータムとポストモータムを実施できれば、チームが継続的に成功を重ねられる確率を高められるだろう。
"Looking Back - and Ahead - to Set Your Team Up for Success," HBR.org, January 09, 2023.