セッションの冒頭にすべきこと

書記を指名する

 あなたが指名する形でも、希望者を募る形でもよいが、重要なポイントが消え去ってしまわないように、議論の大筋を記録する書記役が必要だ。議事録は、一歩下がって気づきを抽出し、今後取るべき明確な行動と責任(これも文書で記録しておくべきものだ)を考える際に重要な役割を果たす。

基本ルールを設定する

 基本ルールとは、チームの合意事項のことであり、一人ひとりがセッションに対していかに協働するか、また、セッション後の協働についても合意できていれば理想的だ。このようなガイドラインの作成を急ぐ必要はない。ガイドライン作成のための時間をチームに与えることで、議論の進め方についてメンバーの主体的な関与を引き出せる。

 ミーティングがバーチャルか対面かにかかわらず、基本ルールの最終的なリストは「リマインダー」として、ミーティング中に目に留まる場所に掲示しておこう。また、チームメンバーが新しいアイデアを思いついたら、いつでもリストに書き加えてよい、と伝えておくことだ。

 基本ルールの一例は以下の通りである。

・成長マインドセットを維持する:失敗や足りない点、問題はビジネスにつきものだと考え、学習と改善の機会と見なす。

・非難したり、恥をかかせたりしない:メンバー個人ではなく、チームとしての成果やプロセス、集団行動に焦点を当て、コメントを「非個人化」する(各自へのフィードバックは一対一で行う)。

・遠慮しない:チームのパフォーマンスを阻害する、または後押しする(あるいは、そうする可能性がある)要因に気づいたら、それを共有する責任がある。

・目の前のことに集中する:マルチタスクを避け、議論に集中し続ける。携帯電話はマナーモードにするか電源を切り、対面の場合はノートPCを閉じなくてはならない(ただし、書記役を除く)。

・傾聴する:話をさえぎらない。発言している人と、その内容に集中する。

・好奇心を持つ:判断を控え、さらに深く知るための質問をする。「自分はすでに知っている」と決めつけてはいけない。

・弱さを隠さない:自分の間違いを認め、「知りません」と言うことをいとわない。

 このようなガイドラインの目的は、心理的安全性を生み出し、強化することだ。そうすることで、できる限りオープンで率直かつ生産的な対話、チームのパフォーマンスに焦点を当てた対話が可能となる。

 たとえば、特にチームリーダーが自分の弱さを隠さずに間違いを認めれば、メンバーの安心感も高まる。心理的安全性が高ければ高いほど、実際に起きたミスや将来起こりうるミスをチーム内で率直に認めて議論し、そこから学ぶことが容易になり、今後のチームパフォーマンスの向上につながる。

 ほかにもリストに追加したい項目があるかもしれないが、ここに挙げたリストは叩き台として有用だろう。