3. マネジャーはリーダーと従業員の板挟みになる

 ハイブリッドワーカーの60%は、自分と企業文化を最も直接的につなぐ存在はマネジャーだと答えた。しかし、マネジャーは、従業員のパーパスや柔軟性、キャリアアップの機会に関する期待と、経営幹部からの業績に対するプレッシャーとの間で板挟みになっている。

 先進的な企業は2023年、マネジャーのスキル不足を補う支援と研修を行うとともに、マネジャーの優先事項を明確にし、必要な場合はその役割を見直すだろう。

4. 従来と異なる人材の採用が人材パイプラインを充実させる

 企業は長年にわたり、人材パイプラインを拡充し多様化する戦略的価値について語ってきた。非直線的なキャリアパスを歩む従業員が増えるとともに、企業が従来の採用方法で必要な人材を確保しにくくなっているいまこそ、行動を起こすべきだ。

 2023年に組織が重要な役目を果たすには、資格や職歴ではなく、そのポジションを遂行する必要なスキルがあるか否かのみに基づき、採用候補者を審査する必要性が生まれるだろう。そのためには、求人票から学歴や職歴を削除し、代わりに、それまで特定の職業に応募できないか、その求人に気づきもしなかった、従来の従業員とは異なる経歴を持つ社内外の候補者に、直接アプローチすることになるはずだ。

5. コロナ禍のトラウマを癒すことが、持続可能なパフォーマンスを可能にする

 新型コロナウイルス感染症が差し迫った脅威ではなくなるに従い、私たちが集団的に分泌していたアドレナリンは次第に減少し、コロナ禍が体や情緒に与える長期的な影響に対処しなければならなくなる。2022年の従業員のストレスと不安は、2020年のコロナ禍のピーク時よりも大きかった。60%近くの従業員が日々の仕事でストレスを感じると答えている。ここ数年の政治・経済・社会の混乱は、生産性や成績の低下、無断退職、職場での揉め事といった形で表れている。

 先進的な組織は2023年、次のようなものを提供して従業員をサポートするだろう。

・先を見越して休養するプロアクティブレストは、従業員の情緒的レジリエンス(再起力)とパフォーマンスを維持する助けになるだろう。これは、レジリエンスとパフォーマンスの両方が落ち込んでから、その回復を図る方法として休憩を奨励する提供するのとは異なる。たとえば、仕事が忙しくなる前に積極的に有給休暇を取らせたり、会議のない金曜日を設けたり、健康的に過ごす時間を会社が用意したり、マネジャーの目標に有給休暇取得を含めることなどがあるだろう。

・課題や難しいトピックについて、善悪を評価したり、影響を考えたりすることなく、解決に向けたディスカッションができる機会を設ける。

・トラウマカウンセラーを利用して、職場での対立や、従業員と難しい会話をする方法についてマネジャーを訓練する。