
採用チームのスキル向上とプロセスの最適化を図る
2022年が始まって数カ月は、採用マネジャーにとって実りの多い時期だった。雇用市場はこの数十年で最も活況で、求人数と退職者数は毎月のように記録を更新していた。しかし、2023年に入ると、企業は2008年の金融危機以来見たことがないほどコストを抑制し、世間の注目を集めるレイオフが相次ぐようになった。
しかし、筆者は心配していない。20年以上、この業界にいて学んだことがあるとすれば、雇用は必ず回復するということだ。そしてほとんどの場合、雇用回復のタイミングは突如として訪れる。多くの企業は準備ができておらず、不意をつかれることになる。
このような問題に対する解決策は、人材獲得チームが採用停滞期を戦略的に活用することだ。採用活動を控えているいまだからこそ、チームのスキルを向上させ、プロセスを最適化するチャンスだ。そうすれば、採用活動が再開された時に必ず、有利な立場に立つことができる。本稿では、その時に向けて準備を整えるための最善の方法を7つ紹介したい。
人材パイプラインを構築し、育てる
優秀な人材を採用するには、長い時間がかかる。求人を公開する前に、リクルーターが有望な候補者に接触するのは、常識に反するように思われるかもしれない。だが、この時期だからこそ、採用する側も仕事を求める側もプレッシャーを感じることなく、誠実な関係を築くことができる。
当然ながら、募集中のポジションがない時とある時とでは、有望と思われる候補者に接触する場合の会話は異なる。ここで重要なのは、率直さと誠実さだ。会話が予備的なものであることを隠さず、自社の現時点での採用状況を明確に伝える。そのうえで、連絡を取り続けてよいかを尋ねる。
候補者の同意が得られた場合には、長期的な人材パイプラインのリストに加え、組織や企業文化、チーム、製品に関する情報を定期的に送り、個人的な接点を持つことだ。
使用するツールを整理する
採用凍結中に自社の利益にインパクトを与える最善の方法の一つは、採用に使用しているツールを十分に監査し、評価することだ。応募者追跡システム、顧客関係管理ツール、ソーシングプラットフォーム、メール検索ツール、面接スケジュール管理システム、ビデオ面接プラットフォーム、紹介プラットフォームなどだ。それぞれのツールの効率と採用状況を評価し、残すべきもの、削除してよいもの、代用できるものを見極める。