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欠点を直すより長所を伸ばしたほうが効果は大きい
そのマネジャーのことを、トムと呼ぶことにしよう。彼は、「フォーチュン500」企業の営業部門で働くミドル・マネジャーである。勤続10余年、成功を収めてきたといえる。目標数字をクリアし、だれからも好かれ、人事考課でもずっと高い評価を得てきた。
彼は、全世界で展開している製品の調整・統一を図るという最重要プロジェクトの責任者への昇進を志願した。「自分こそ最有力候補である」と自信たっぷりで、理屈で考えても次の異動先であり、自分のスキルとバイタリティに打ってつけであると思われた。
これまでの実績は揺るぎないものだった。つまらないミスもキャリアに傷をつけるような言動もなく、上司といさかいを起こしたこともなかった。それゆえ、経験の乏しい同僚にその役職が与えられたと聞いて、愕然とした。何が問題だったのだろう。