「間接業務を請け負う会社」というアイデア

 1990年代の終わり頃、数カ月にわたって、ライバルをはじめとするさまざまな企業から、インドのGEキャピタルのオフィスを訪問したいという電話がひっきりなしにかかってきた。

 ライバルに自社を案内するというのは、たいていの執行役員の責任範囲には入っていない。実際、そんなことはけっして行われない。しかし、私は同意した。なぜなら、スタンダードチャータード銀行、バンク・オブ・アメリカ、アクセンチュアといった企業からのリクエストは、何か信じられないようことが起ころうとしている兆しだと考えたからである。

 そして、まさしくその通りになった。現在、私が興したジェンパクトは、BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)企業として、全世界で4万3000人を雇用している。間接的には、我々をサポートしている企業で働く、さらに100万人の雇用にも貢献している。また、13カ国39拠点を抱え、400社にサービスを提供している。2005年、親会社のGEキャピタルから分離独立し、いまや売上高12億6000万ドルの上場企業である(図表「ジェンパクト:分離独立後の6年間」を参照)。