このように、「管理」と「改善」の意味合いの違いを整理してみると、一般に「改善」が「イノベーション」と比較される際には、どちらかと言えば現状打破的な「改善」というよりも、現状維持的な「管理」が「改善」とすり替えられて比較の対象になっていることが理解できます。しかし、もともとの意味合いから言えば、「改善」とは現状の仕事のやり方を抜本的に変更する現状打破的な問題解決行動であり、「イノベーション」と相通じるものがあるのです。

 今回は、「改善」の意味合いや、利点・効果について、「イノベーション」や「管理」と比較しながら整理してきました。次回以降は、このような改善活動を企業において実際に実行していく上でのさまざまなマネジメント上の課題について指摘した上で、解決の方向性を模索していきたいと思います。