ブランドの力:AI時代こそ、信頼で勝負する
サマリー:『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)2026年7月号の特集は「ブランドの力:AI時代こそ、信頼で勝負する」です。AIの恩恵を受け、ブランドマネジメントも大きく変わりつつあります。テクノロジーの進化によって新たな打ち手が生まれる一方、情報が飽和状態になる、差別化が困難になるなどのデメリットも生じています。そんな中、企業がブランド価値を高めていくためには、どうすればよいのでしょうか。そこで2026年7月号の特集では、AI時代にあっても顧客に選ばれ続け、信頼を高めていくためのヒントを探ります。

信頼の積み重ねこそすべて

 生成AIをはじめとするテクノロジーの進化は、私たちの購買行動を大きく変えつつあります。購入前にAIツールを使って商品を比較検討する消費者は増加の一途をたどっており、これは企業のブランドマネジメントに影響を及ぼしうる傾向といえるでしょう。一方、生成AIによって大量に生成された低品質なコンテンツが広く出回る中で、真に価値あるものを見極めるフィルターとして、いまあらためてブランドが注目されています。

 こうした状況下で、消費者や顧客に選ばれ続けるために企業は何に注力すればよいのか。今号の特集「ブランドの力:AI時代こそ、信頼で勝負する」は、企業にとってAIが機会にも脅威にもなりうる環境を受け入れ、顧客の信頼を勝ち取りながらブランド価値を高めていくためのヒントを探ろうという試みです。

 特集1本目「スターバックスのブランドは『顧客の体験』の積み重ねでつくられる」では、スターバックス コーヒー ジャパンCEOの森井久恵氏にお話を伺いました。30年前の日本進出から一貫して信頼あるブランドを築き続けてきた背景には、ミッションとそれを体現する従業員の姿がありました。

 特集2本目「マーケティングとは競争優位を築くための長期投資である」は、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の天野友道助教授による寄稿です。「購買促進施策の束」として捉えられがちなマーケティングを、顧客との関係性の間に蓄積される無形資産を生み出すための長期投資として捉え直し、経営に「消費資本」の発想を実装せよと提言します。

 特集3本目「AIエージェントは企業と顧客の関係性をどう変えるのか」と4本目「ファストバタイジングで成功する5つの基本原則」では、AIエージェントやソーシャルメディアといったテクノロジーを、企業はどうコミュニケーション戦略に活かすかを考えます。

 特集5本目「オニツカタイガーは時代に迎合せず、『らしさ』を貫き通す」は、2011年からオニツカタイガーの責任者を務め、ブランドの再建とその後の飛躍的成長を主導してきた庄田良二氏へのインタビューです。お客様は何に対価を支払うのかといえば、それは「ブランドの努力」に対してなのだと語る庄田氏の言葉は、いかなる業界の製品・サービスに携わる人であれ、胸に刻んでおきたい学びに満ちています。

 自社のブランドを見つめ直すうえで、ぜひ今号をお役立てください。

(編集長 常盤亜由子)