従業員の参加メリット

 それでは、従業員が改善活動に参加する際のメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。従業員が改善活動に参加するメリットについては、以下の6点が指摘されています。

 まず第1のメリットは、改善活動の結果、自らの仕事の負荷が軽減されることです。例えば、改善活動の結果、自分が担当する仕事が楽になる、仕事がやりやすくなる、安全が確保されるなどのメリットです。

 第2のメリットは、改善活動を通じて、技術的知識や専門的技能、管理能力などが習得できるというメリットです。従来は専門スタッフが担ってきたQC(品質管理)などの管理技術や、特定の機械設備の原理や構造などの固有技術に関する知識を、従業員が改善活動に参加することで獲得できるなどといったメリットです。

 第3のメリットは、改善活動を通じて、自分の職場だけでなく、周りの他職場に関する業務知識を獲得できるというメリットです。通常業務を担当しているだけでは知りえない他職場の業務知識が身に付き、仕事の幅が広がるといったメリットが該当します。

 第4のメリットは、知的欲求・達成感が充足されるというメリットです。通常業務には求められない創造性や創意工夫を要求される仕事が経験できたり、自分の腕を試すような挑戦的な課題に取り組むことで、知的欲求が満たされるといったメリットです。

 第5のメリットは、改善活動を通じて職務に対する裁量権が拡大し、自主性を発揮できるというメリットです。標準作業の反復だけという通常の直接作業に対して、自分たちで自分たちの職場を自ら変えることができるなど、職務裁量権の拡大を背景として、自主性・自律性を発揮できるというメリットです。

 第6のメリットは、職場の意思疎通が促進されるというメリットです。改善活動を通じて仲間との交流が深まり人間関係が改善されるといったメリットが該当します。