従業員にとってのデメリット
一方、従業員が改善活動に参加する際のデメリットについては、以下の5点が指摘されています。
まず第1のデメリットは、労働時間が延長するというデメリットです。通常業務に加えて改善活動を行う時間自体が増えるので、全体として労働時間が延長してしまうというデメリットです。
第2のデメリットは、担当業務の労働密度が強化されるというデメリットです。例えば、改善活動によって経営上の効果は得られたものの、通常業務の時間が短縮されたり作業方法が変更されたために、仕事の負荷が増加したり作業がやりにくくなるというデメリットです。
第3のデメリットは、改善活動を通じて、従業員間の対立が深まってしまうというデメリットです。経営側の要請を一部の従業員が実行していくことで、本来なら従業員と経営側との間に発生する対立が、従業員間相互の対立に転嫁されてしまうといったデメリットが該当します。
第4のデメリットは、改善活動の結果、要員が削減され、これが仲間の職場を奪う結果になってしまうというデメリットです。
第5のデメリットは、作業上の安全や環境面で問題が発生してしまうといったデメリットです。例えば、省エネのために電力照明を節約したが、これがもとになって事故が発生してしまうなどのデメリットが該当します。
改善活動を推進するミドル・マネジャーの役割
ミドル・マネジャーは経営側の論理を理解し、長期的な経営成果の獲得を目指して、改善活動を一定の方向に導きながら、いかに従業員自身の参加メリットを高めデメリットを抑制するかを考えなければなりません。そのためには、大別して、以下7つの役割が必要になると考えることができます。