生活者のメディア情報行動を明らかにした「マルチスクリーン行動分析」
では、この点に着目してグーグル マーケットインサイト*3が実施した「マルチスクリーン行動分析*4」の結果を紹介する。
この分析では、分析対象者の一人ひとりが、1カ月間、いつ、どれくらいのテレビ・パソコン・スマホというデバイスを利用したかという秒単位の行動ログデータを活用した。利用特徴が似ている人が、同じグループに属するよう統計的に分類するクラスタリング手法の結果、5 つのグループができた(なお、このデータはグーグル保有のものではなく、調査会社によって提供されているものである)。
その上で、この 5 つのグループに対し、接触コンテンツ情報(視聴テレビ番組・閲覧インターネットサイト・利用アプリ)、購買意識や生活意識の調査結果、性別年代や職業などのデモグラフィック情報から、グループごとのより詳細な特徴を以下のように明らかにした。
●グループ1(全体の 22%):デバイス利用時間が長く、朝起きたら “ON” 状態にするのが習慣。雑誌の購読数も多く、ニュースや情報番組で知識をどんどん蓄積させていく。メディアは取捨選択型ではなく追加型
●グループ2(全体の 15%):テレビを見るのは夜が中心で、それ以外の時間では少ない。パソコン利用も夜型。スマホ利用は比較的少なく、パソコンを使う。雑誌はあまり読まない
●グループ3(全体の 30%):テレビもパソコンもスマホも楽しく時間をつぶすため。テレビ番組はワイドショー好き。スマホでは写真を撮ったり、動画を見たりしている。家にいる時間はテレビをつけながらパソコンやスマホを見ている
●グループ4(全体の 22%):パソコン利用が少なく、メインデバイスはスマホに移っている。気になったことはすぐに調べたい性格で、家でパソコンを立ち上げるまで待てずにスマホで検索
●グループ5(全体の 12%):テレビよりもパソコンやスマホの利用時間が長い。テレビ・パソコン・スマホは深夜帯 (23 時以降)での利用が多いのが特徴。オンラインは人とつながるため、情報を得るためのもの
分析した人たちは全て、テレビもパソコンもスマホも持っている。しかしながら、実際の利用の仕方はまったく異なっていた。さらに、それらの人々の行動の差は、単にデバイス利用傾向だけではなく、利用するアプリ、アクセスするサイト、見るテレビ番組にいたるまで、その特徴に差があることも分かった。