「パーソナライズ」と
「エモーショナル」への挑戦

高家 第2の目的は「パーソナライズ」です。

 お客さまがSNSや雑誌を見たり、WEBで調べたりして、欲しいモノをほぼ決めてお店にいらっしゃったとき、店舗メンバーがそれを知らずにまったく違うモノをご提案してもお客さまは満足しないでしょう。

 お客さまのニーズに合った提案をタイムリーにするための「パーソナライズドマーケティング」は、これまでは様々な制約がありました。しかし、今はお客さまの店舗の外での行動もある程度見えるようになってきました。そうなると、1人ひとりのお客さまが求めているものに寄り添った提案ができるようになってくる。これが「パーソナライズ」の分野です。

 そして第3の目的は、「エモーショナル」です。売り場でのワクワクするような、楽しい体験にテクノロジーを使おうと考えています。

 たとえば、今すでにいろいろなところで形になりつつある、AR(Augmented Reality:拡張現実)やVR(virtual reality:仮想現実)を使った体験なども、その一例です。

「このイスを買いたいけど、私の部屋に置いたらどんなふうに見えるだろう」ということを、昔だったらできなかったわけですが、ARやVRのテクノロジーを使えばできるようになります。

 このように「ストレスフリー」「パーソナライズ」、そして「エモーショナル」を目的としてデジタルを活用しようとしています。

 第2、第3の目的の実現には、まだまだチャレンジングな課題が山積しています。さらに、この3つの方向性それぞれに何を実現させるのかを明確にして、そのために必要な、そして優れた技術を国内・海外から取り込んでいこうと考えています。

 

(インタビュー第2回に続く)