顧客接点のところを
いかに「パーソナル」に転換できるか

石川 最後に、起点が「顧客」にあって、顧客の期待する価値に対して、新たな小売業が実現できるためのカギは何でしょうか。

高家 我々は200店舗以上を持つチェーンストアです。多店舗展開するには、やはり標準化されたマス・オペレーションが不可欠です。200店舗で1店舗ずつ個別の対応をしていたら、絶対に儲かりません。

 同時に、店頭で商品を並べて「安くていいものを提供しています。どうぞ買ってください」と販促するだけではもはやダメで、顧客接点の部分を「パーソナル」に転換しなければなりません。

 コンセプトとしては簡単なのですが、実はすごく難しくて、どうやってマス・オペレーションをやりながら最後の顧客接点を「パーソナル」に切り替えるか。ここを十分にできているリアルの小売プレーヤーはまだないと思います。

 アマゾンさんも、ネットの世界から「ホールフーズ」を買収して、それを仕掛けようとしているのではないでしょうか。

 日本の小売でも、「お客さまとの接点」「お客さまの購買行動に関する情報」が勝負のポイントになってくるでしょう。

 チェーンストアのように規模が大きくなってくると、マス・オペレーションを捨てるわけにいきません。マスとパーソナルという二律背反するものをどうやって両立させるのか、ものすごく大きなチャレンジです。でも、それが次の小売業の価値になっていくと思います。

石川 人とテクノロジーの融合が大きなテーマになるでしょう。モノはマスで動かすことで規模の経済の強みを今後も活かしつつ、人とテクノロジーの融合によって接点では「パーソナライズ」な体験を創出する。小売として、新たな価値の提供を目指して、ビジネスモデルの再構築に挑戦されていることが理解できました。ありがとうございました。

(インタビュー第1回はこちら)