私はベスト・バイの経営建て直しを主導するなど、この数十年の経験を通じて、ビジネスの本質とは、崇高なパーパスを追求し、事業活動の核に人間を据えることであると確信している。この考え方は、現在のような危機に見舞われているとき、ことのほか大きな意味を持つ。
いま、企業のパフォーマンスを判断する基準とすべきなのは、株価でもなければ、1株当たり利益(EPS)に関する会社側予想を達成できるかどうかでもない。この危機の中で企業に問われているのは、すべての人に奉仕し、高次のパーパスを実現できるかどうかだ。特に、いまどのような態度を取り、さまざまなステークホルダーの利害と期待にどのように応えるかが重要になる。
新型コロナウイルス危機は、ビジネスリーダーが最前線でリーダーシップを振るう機会になる。最近話したリーダーたちの言葉や起きている現象から判断して、私は今後に希望を感じている。
目下の危機と向き合うに当たり、リーダーは自分に以下のような問いを投げ掛けるとよいだろう。
まず、瞑想を行うなど、自分を大切にしているか。リーダーシップを振るうには、自分が最善の状態でいることが不可欠だからだ。また、周囲の人たちを助けるためにどのような行動を取っているか。みずからのパフォーマンスをどのような基準で評価するか。そして、あなたは、この危機の時期に、自分がどのようなリーダーだったと将来記憶されたいか。
HBR.org原文:A Time to Lead with Purpose and Humanity, March 24, 2020.
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