●手本となる行動を取る
自分自身の行動を通じて、休暇を本当に取ってほしいと思っていることを見せる必要があるだろう。私のアンケート調査に回答した人々は総じて、休暇を取ることは大切だと答えたが、たいていは自分が休むことに抵抗を感じていた。
だが、何を言うかよりも、何をするかのほうが重要である。たとえば、組織全体で1日の休業を命じるのはどうだろうか。私のクライアントの一つであるデータ分析会社のサイセンスでは、全従業員が休みを取得するセルフケアの日を毎月設けている。
あなた自身の仕事時間の区切りを明快に伝え、仕事以外の時間に何をしていたかも話そう。何が最も重要なのかを会社の方針とあなたの行動で示せば、他の人たちも従う可能性が高くなる。
●休暇の長さを変える
アンケート調査に回答した人々すべてが、1週間以上の長い休暇に何をしたらいいかわからないと答えた。
代わりに、部下たちには短い休暇を頻繁に取ることを勧めよう。毎週1日は午後を半休にしたり、時には終日休みの日を取ったりする。また、週末の少なくとも1日は完全に仕事から離れて、仕事関係のメールをいっさいチェックしないようにする。
頻繁に休みを取るのは有効な手段だ。ストレスレベルが高まると、かつてのような長い休暇を楽しみに長期間働き続けるような、頑張りが効かなくなるからだ。早めに、頻繁な充電が必要なのである。
●チームを活性化する
チーム内で責任を共有し、互いにどうすれば助け合えるかを確認して、仕事を止めずに交代で休めるようにしよう。
ハーバード大学のレスリー・パーロウは著書で、ボストン コンサルティング グループで働くコンサルタントたちは、携帯電話の電源をオフにする「予想可能な休憩」を週に数時間取ることで、仕事に対する満足感およびワーク・ライフ・バランス、協働、効率性が著しく改善したと報告している。1人が携帯をオフにして休んでいる間、チームの誰かが代わって仕事をできるような体制を整えたのである。
チーム全体を巻き込むことで、休みを取ることを文化の一部にできる。さらに、互いに支え合い、寛容になれるようにもなる。
在宅勤務とは四六時中働くことと同義ではない。休暇や休みに対する考え方を変え、部下たちも同じように振る舞うよう促して、絶え間なく続くビデオ会議で生じた無感覚状態を和らげ、エンドレスな「やることリスト」を短くするのだ。
アンケートの答えで、ソフトウエア会社ライメードのCEOヘンリー・アルブレックは、リーダーとしてすべきことをこう書いていた。「ルールを共有し、思いやりを示し、手本となる行動をとり、従業員を全面的に信頼することだ」
HBR.org原文:Managers, Encourage Your Team to Take Time Off, June 05, 2020.
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