オフィス勤務時と同様に、適切な服装をしよう

 話し合いを主導して視聴者からの賛同を求める人は、真実味と信頼感を与えようと懸命になることだろう。服装に関しては回答者の大部分が、話者の真実味と信頼感を引き立たせるのはビジネスカジュアルと中間色と答えた。

 話者をイノベーティブに見せるという点では、柄もの、中間色、明るい色はほぼ同じ割合で選ばれている。明るい色をイノベーティブと見なした人は男性よりも女性のほうが16%多く、一方で、柄ものをイノベーティブとした人は女性よりも男性のほうが27%多かった。

 服装については、4つの印象特性のうち3つにおいてビジネスカジュアルが最も好まれる選択肢であった。

 とはいえ、幹部による経営陣へのプレゼンや、新規クライアントとのやり取りでは、専門家らしく映ることが優先されるかもしれない。その場合はビジネスプロフェッショナルらしい服装、たとえばスーツ(男性はネクタイも)で、中間色のものを選ぶとよい。

 弁護士や銀行員やコンサルタントなど、「専門家」と見なされる高度専門職者の多くが通常はスーツを着ていることを踏まえれば、プロフェッショナルらしい服装を専門性と関連づけた回答者が過半数を占めるのは意外ではない。ビジネス服が当たり前の業界で働いている人は、バーチャル会議でも同程度のプロフェッショナリズムを維持するのが妥当である。

 要するに、仕事の環境が変わったのだから服装も変えるべき、と思い込むのは得策ではないわけだ。

 ご想像の通り、服装に対する態度には世代の違いも関係がある。とはいえ、それほど大きな要因ではない。平均すると、60歳以上の回答者の46%はビジネスフォーマルへの一貫した選好を見せた(全体では39%)。

 しかし若い回答者らは、カジュアル服への強い選好を示していない。今日の職場では服装のカジュアル化がトレンドとして続いているにもかかわらず、だ。18~29歳の回答者のうち、カジュアルな服装を好んだ人は20%にとどまったが(全体では18%)、ビジネスカジュアルを選んだ人は41%(全体では43%)に上った。

 したがって、若い視聴者に話をする人や、大学のクラスを教える教授などの場合、視聴者はこちらの服装など気にしていないと思うかもしれないが、考え直したほうがよい。