●相手が何をやりたいのか確認する
レイオフされた人は(本稿執筆者のクラークも若い頃に経験した)、動揺している可能性がある。だから、あなたの同僚も、これからどうするとか、次は何を目指すかといったことが、まだはっきりしていないかもしれない。
それまでと同じ職種で仕事を探すかもしれないし、これを機に新しいことにチャレンジしようと思うかもしれない。キャリアの方向性を見直したり、ベンチャー企業を立ち上げたりするかもしれない。
したがって、相手が何を求めているか、勝手な思い込みをしないことが重要だ。あなたのバイアスを当てはめるのもよくない(グーグルにいとこがいるからといって、紹介すれば誰でも喜ぶに違いないと思わないこと。親切な行為だが、相手が明確に関心を示したときだけにしよう)。
最もよいのは、本人に直接聞くことだ。「まだ、いろいろ考えているところかもしれないが、もし役に立ちそうだったら、私も求人情報に目を光らせておく。次は何をしようとか、どういう仕事が理想かといったアイデアはある?」といった聞き方ができるだろう。
そうすれば、相手があなた(と未来のネットワーキング活動)に適切な方向性を示してくれるだろう。
●自分ができることを具体的に知らせる
子どもの誕生や家族の死など、人生の重要イベントのときと同じで、漠然とした申し出(「何かできることがあったら教えて!」)は、まず役に立たない。それは次のような可能性によるものだ。
・相手には、あなたの申し出が本気なのか、社交辞令にすぎないのかわからない。
・相手もまだ、自分にどんな助けが必要になるかわからない。
・相手には、あなたに助けを申し出る資格や権限があるかわからない。
そこで相手が理想とする今後の方向性がわかったら、具体的にどんなサポートがあなたにできるのか、積極的に明解にしよう。「もし誰かに話を聞いてほしくなったら、あるいはブレインストーミングの相手が必要になったら、いつでも知らせて」といった声のかけ方ができるだろう。
「もし役に立つなら、きみのリンクトインのプロフィールについて戦略を練るし、採用面接の練習台になるよ。気軽に声をかけてくれ」というのもいい。こうしたことは、自分では思いつかないかもしれない(特にレイオフ直後は未来を展望するのが難しい)が、職探しを進めるうちに役立つと気づくことが多い。
相手の希望に沿っているなら、具体的な知り合いを紹介することもできるだろう。職探しの範囲が明確に定まっているなら、あなたも具体的な提案ができるかもしれない。「X社のシアトルオフィスで仕事を探していると言っていたよね? 大学時代のルームメイトがそこで働いている。よかったら紹介しようか?」といった聞き方ができるだろう。
相手の今後の方向性がまだ明確でなかったら、もっと一般的な申し出が可能だ。「いくつかの可能性を考えているようだね。フィンテックに狙いを定めることにしたなら、声をかけてくれ。紹介できる知り合いがいるから」といった具合だ。