●周辺のインフラに投資する
テクノロジーの利用方法が煩雑だと、利用者数が低迷して期待外れに終わる。
そしてもう一つ、テクノロジーを活用する組織文化の創造に欠かせないのは、周辺のインフラを整備することである。ITネットワークやシステム、ソフトウエア、プロセス、利用方法などのインフラを、ユーザー目線で使いやすいように整えることが必要だ。
新たなテクノロジーへの投資と考え抜かれた実行計画の両方がなければ、最新テクノロジーを導入する利点を従業員に納得させるのは難しい。
予算の観点から見ると、簡単には受け入れられない提案かもしれない。しかし、煩雑で時代遅れのテクノロジーを使い続けることから生じる機会費用の観点から見れば、インフラ整備の必要性を訴えることができるだろう。
●新たなスキルの習得や学習を計画に組み込む
同様に、研修や新たなスキルの習得は、適切な組織文化を創造するうえで非常に役立つ。マッキンゼー・アンド・カンパニーが実施したグローバル調査の結果からも、それは明らかだ。
この調査では、エグゼクティブの87%が職場でスキルギャップをすでに経験したか、今後数年以内に経験するだろうと答えている。しかし、新しいツールを導入し、従業員が実際に使いこなせるようになるには、組織はただ単に新たなテクノロジーを押し付けるのではなく、適切な研修やサポートを提供しなくてはならない。
これは業界によってかなり状況が異なると思われるが、仕事の性質が変化しつつある環境において、各個人がどの程度適応しているかを尋ねるのがよいスタート地点となるだろう。
●断片的に進めない
組織は長期的戦略を持って、新しいテクノロジーを進んで受け入れる文化の創造に向かう必要がある。
テクノロジー導入を断片的に行うアプローチを取ると、短期的には進展していると感じるかもしれない。だが、デジタルに重点を置いたマインドセットの創造にはつながらず、レガシーシステムや時代遅れの姿勢をきっぱりやめることはできない。