●政府や政策がどう関与するか理解する

　政府もまた、テクノロジーを積極的に活用する文化をはぐくみ、促進する役割を担っている。テクノロジーの発展を導くための環境づくりをしている最高機関から、適切な文化が浸透していくことは多い。

　当局が、テクノロジー分野の起業家を引き寄せるような法的基盤とエコシステムを構築することで、起業家はイノベーションを推進できる。シリコンバレーであれシンガポールであれ、公共政策には新たなテクノロジーの発展を促進し、有望な研究や知識の共有ができる環境を整える役割があるのだ。

　国境をまたいだデータフローに対する懸念が高まっているため、政府は民間企業と緊密に連携して、国家と経済的利益の両方を守らなければならない。

　また、中小企業の迅速なデジタル化に政府がインセンティブを与えているケースもある。その典型例がシンガポールだ。

　同国政府は、デジタル化を進める中小企業にインセンティブを付与している。これは、新型コロナウイルス感染症による経済打撃から企業が立ち直るのを支援すべく、同国政府が発表した刺激策の一部でもある。

＊＊＊

　テクノロジーは、確かな組織文化とパーパスを築く潜在能力を秘めている。テクノロジーが組織の潜在能力を引き上げることは、疑いようもない。

　だが、永続性や持続可能性のある組織や未来社会を築きたいのであれば、テクノロジーと組織文化、そしてパーパスを、これまで以上にしっかりと統合させなければならない。


HBR.org原文：Why Do Your Employees Resist New Tech? August 21, 2020.


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