境界線に挑まれることを
見越しておく
境界線を少しずつ動かそうとする「スコープクリープ(scope creep)」はよくいる。たとえば、最初に決められた仕事以上のことをやるように求められる場合だ。
それに2歳児を抱える親なら誰もが知っているように、境界線を引くということは、挑戦を招くということでもある。だから、怒っても仕方がない。今回は例外を認めるのか、あくまでも当初の合意にこだわるのか、よく考えて選択する。
譲歩することで得られることもある。ただし、その会話の中で譲歩した境界線を元に戻すこと。たとえば、次のような状況だ。
・「今回はもう一度やって差し上げますが、あなたのスタッフを2人派遣されてはいかがでしょう。彼らに私の知識をすべて教えますから、今後は自社にリソースを持つことができます」
・「では、土曜日は1日車を使ってかまわないけど、妹とその友達を練習に連れて行くこと。ただし、来週の土曜日は私が車を使います」
質問する
約束する前に、たくさん質問をして条件を明確にする。適切なアプローチが判然としない時は、なおさらだ。質問に対する答えは、あなたの引いた境界線に挑まれた時、どう対処すべきか判断する助けになる。
相手が自由な形式で答えられる質問を投げかける。そうすれば、ネガティブな印象を与えることなく、より多くの情報を集めることができるだろう。
・「あなたのプロジェクトについて、もう少し聞かせてください。戦略的な重要性があるとおっしゃいましたよね。どういうことでしょうか。どのような結果を求めているか、具体的なアイデアはありますか。あなたのチームの今年度の戦略目標を達成する方法をいくつか考えましょう」
・「私たちがいま作成している面接プログラムの利用者について、もう少し聞かせていただけますか。面接官の経験が豊富な人たちでしょうか。彼らが適切な人材を選び出せるかどうかについて、どのような懸念をお持ちですか」
・「あなたが買ってほしいと言っているその自転車、興味深いね。いまの自転車とどう違うの? いままで使っていた自転車はどうするつもり?」