(3)メールの代わりに直接話すほうがよいか

 文章によるコミュニケーションが可能なプラットフォームは数多く、私たちはメールやグループチャットを通じて些細な質問をあまりにも多く投げかける傾向にある。

 電話やビデオ会議、あるいは対面のミーティングであれば、ささいな質問を続けるのではなく、適切な質問に絞ることができるかもしれない。こうした直接対話に切り替えることで好意的な雰囲気をつくると同時に、時間をかなり節約できる可能性もある。

 かつて、ドイツ人のクライアントが次のように語ってくれた。「私はフランス人とインド人の同僚と、メールのやり取りを際限なく続けていた。彼らは堂々めぐりの会話を文章で続け、互いを理解できずに何度も繰り返し同じことに触れていた。そこで私は電話で話し合おうと提案し、いくつかの異なる角度から質問をした結果、問題の本質が明らかになった」

 曖昧で混乱を招くようなテキストメッセージやメールを受け取った場合には、迷わずに電話か、もし可能であればビデオ会議や対面でのミーティングを要請しよう。

 センシティブな話題であれば、すぐに電話で話そうと伝えることで、あなた自身の思慮深さを示すこともできる。質問に答える前に少し時間を置くことは、あなたを優柔不断に見せるわけではなく、むしろ話をよく聞き、真剣に対応していることを相手に示す。

 アイコンタクト、声のトーン、ボディランゲージのように、相手の意味するところを明確化する手がかりがないために、デジタルコミュニケーションは難しいのである。

 ボディランゲージを読み取るという従来のスキルに代わり、注意深く読んだり書いたりするスキルは、チーム全体が同じ認識を持ち、バーチャルな世界で卓越することを目指す組織にとって不可欠になっている。

編注:「ok」の「o」を省略したもの。「k」のみで「了解」の意味として使われる一方、「あなたの言うことなどどうでもいい。あなたと話などしたくない」という意味があると解釈される場合もある。


HBR.org原文:Slow Down and Write Better Emails, February 19, 2021.