●フレキシブルワークにまつわる、ジェンダー規範の思い込みに疑問符を突きつける

 かなりの割合の女性が、柔軟性のあるリモートワークやハイブリッドワークを提供し、かつそれを尊重する企業を探し求めている。

 より多くの女性が労働力として雇用市場に留まることができるように、寛大かつ柔軟な就労形態を組織の方針として打ち出すことは、ジェンダー不平等を縮小するうえで欠かせないステップだ。

 ただし、これらは既存のワークカルチャーとジェンダー規範の変革を伴わなければならない。もっとフレキシブルな就労形態を、女性に限定せず、すべての労働者に提供すれば、柔軟な働き方を求めている人に対する思い込みを取り除き、付随するスティグマ(負の烙印)を打ち砕くことができるだろう。

 ミレニアル世代が労働力として雇用市場に流れ込んでくる中、ジェンダーロールに対する平等主義的な姿勢がますます拡大している。企業は、従業員の活躍をサポートする方針を策定し、こうした現実に適応していかなくてはならない。

 明文化された方針と現場のマネジャーによるコミュニケーションの両方が、「柔軟な働き方は誰でも利用できる選択肢だ」というメッセージを強化し、それは「女性対象のプログラム」だという思い込みを取り除くことができる。

 さらに、男性自身も柔軟性のあるリモートワークプログラムに参加しなければならない。これには、男性リーダーも含まれる。

 男性が柔軟なリモートワークを選択すると、「まるで女みたいだ」というレッテルを貼られることが多い。しかし、男性はジェンダー平等を支持するアライとして、みずからこうした選択肢を求め、実際に利用することによって、柔軟な働き方と家族休暇(育児休暇や介護休暇)に関するスティグマを取り除く手助けができる。

 それは、自分のパートナーや家族を支える方法であり、女性と若い男性にとって柔軟な働き方がもたらすスティグマを取り除く方法にもなる。