●21世紀のスキルを持つリーダーを雇用し、昇進させる

 女性を積極的に採用し、柔軟な就労形態を推進しても、現場のマネジャー(圧倒的に男性が多い)の積極的あるいは消極的な抵抗にあえば、十分な結果は得られない。

 企業は、完全なジェンダーバランスと平等が組織に存在することが、ビジネスにおいても成果につながり、道徳的にもなくてはならないものだと明確に示すことができる人材、特に女性を採用しなくてはならない。

 また、オーセンティシティ(自分らしさ)やインクルージョン、謙虚さ、共感を体現できる人材を昇進させることも必要だ。多様な人材を登用したり、抜擢したりした実績のあるマネジャーを優遇することも欠かせないだろう。

 リモートテクノロジーを活用して、相手の話を傾聴し、信頼関係を育むことができるか、疑問を感じるかもしれない。だが、マネジャーが意図的にコミュニケーションを取り、励ましやサポート、称賛をたびたび表現すると、リモートワーカーの孤独レベルが低下し、チームとの一体感を感じて、成功する可能性が高まることを示す証拠が存在する。

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 間違わないでほしいのは、こうした変革の実行には困難を伴うということだ。しかし、賢明なリーダーであれば、これを重荷ではなくチャレンジと位置づけ、女性への便宜ではなく、競争上のチャンスと位置づけるだろう。

 こうした変革には根本的な組織改革が必要となるため、抵抗が生じるのは間違いない。しかし、その努力が価値ある結果をもたらしてくれることも間違いないのである。


"Advancing Gender Equity as You Lead out of the Pandemic," HBR.org, October 11, 2021.