●期待される利益とその追跡方法を明確にする
プロジェクトマネジャーにとって、重要な問いがある。成功の度合いをどう測るのか。何が、いつまでに起きているべきなのか。
たとえば、あなたが求めている利益は、収益(強力なブランドのおかげで、あなたを求めるクライアントが増える)かもしれないし、影響力(本を執筆したり、著名な出版物でコラムを書いたりする機会を提供される)、あるいはキャリアアップ(競争の激しい分野で、誰もがうらやむ地位に昇進する)かもしれない。
強力なパーソナルブランドの構築は、年月をかけてようやくたどり着くプロセスである。数週間や数カ月で利益が得られることは、めったにない。それでも、利益が得られる段階までモチベーションを保ち続けるには、プロジェクトにどのぐらいの時間がかかりそうか、仮説を立てておくことが重要だ。たとえば、憧れのキャリアパスを歩む同僚と会話したり、他人の自叙伝を調べたりするとよいだろう。
同じように重要なのは、プロセスの途上で小さな進歩の兆しを見つけることだ(クラークはこれを「雨滴を探す」と呼ぶ)。そうすることで、目標に対する進捗状況を定期的に確認し、小さな成果を祝うことができるだろう。
●ステークホルダーを特定する
強力なパーソナルブランドの構築は、あなたにしか影響が及ばないプロジェクトに思えるかもしれない。しかし実際は、影響を受ける可能性のあるステークホルダーを幅広く考えることが大切である。
たとえば、あなたが急にソーシャルメディアで活発に発言し始めたり、認知度を高める手段を講じたりしたならば、上司はあなたが退職するつもりなのではないかと脅威を感じたり、不安になったりすることもあるかもしれない。可能であれば、上司にあなたの目標を伝え、支持を取りつけるのがよいだろう。
同様に、新たに確立したパーソナルブランドで、誰とつながりたいかを明確にすることも有用だ。
また、社内だけではなく、業界内でも自分の専門能力を認められたいと考えている場合、カンファレンスの講演者に立候補したり、業界誌に執筆したりするなど、実現のための手段を考えることだ。当然ながら、自社のコミュニケーションに関するガイドラインやポリシーを事前に調べておくことが欠かせない。