(1)「なぜ」から始める

 この会議を開催する「具体的」な目的は何か。何を達成したいのか。これらの質問への答えによって、残りの4つのステップへのアプローチ方法が見えてくるため、考えておくとよい。

 (2)「何を」に移る

 定義した目的を達成するためには、単に自由に議論するだけで十分か。答えがイエスなら、準備は完了。ノーの場合は扱うべきトピックやテーマをリストアップしておこう。

 (3)「誰が」について考える

 会議の目的と議論するテーマについて把握したら、その目的を達成するために会議室に誰が必要か──そして、誰が必要ないのか──を判断できる。相手の時間を節約し、中身の濃い議論ができるよう、事前に特定の関係者に連絡を取っておくことも検討しよう。

 (4)「どうやって」の部分を決めすぎない

 会議の目的によっては、段取りに沿ってファシリテートされた議論が有効な場合もある。たとえば、デザイン・ブレインストーミングやレトロスペクティブ(振り返り)、室内を回って質問に答えるタイプの会議はそれに当てはまる。

 もっとも、会話の自然な流れに乗って、リアルタイムで段取りを決めていくアプローチも恐れるべきではない。筆者らの経験でも、事前に構成を考えておいたのに、結局は会議中にそれを破棄するケースが少なくない。一方、チームとしてリアルタイムで構成を組み立てていくと、グループの一体感が生まれ、全員の参加と関与を引き出せる。

 (5)「いつ」の扱いに注意

 最初のトピックに10分、次のトピックに5分という具合にすべてに時間制限を設けたくなるものだが、筆者らの経験から言えば、そのようなスケジュールを守るのは極めて困難で、逆効果になる可能性もある。

 たとえば、特にクリエイティブなプロジェクトの場合、厳密な計画に固執すると、最高のアイデアが浮かぶまで十分に時間をかけて議論することができなくなるという研究もある。複雑な会議では、ざっくりしたタイムラインが役立つケースもあるが、思っているほどタイムラインが必要ではない場合も多い。タイムラインは、グループに正式に伝えるものというより、個人的に意識しておくガイドラインとして有用かもしれない。