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リーダー自身の成長が
チームや組織を伸ばす
今号の特集は「リーダーのための成長論」です。リーダーである皆さんは、チームや組織がさらなる飛躍を遂げるうえで必要なことが何かを即答できるでしょうか。答えの一つは、リーダー自身が成長することです。リーダーの成長がチームや組織の成長を促します。その主な障壁と克服方法について、最新の論文を通じて解き明かします。
特集1本目は「リーダーが真のリーダーへと飛躍するために必要なこと」です。数百人の経営幹部への丹念な取材から、筆者は現場のリーダーが上級職のリーダーへと役割を転換させるうえでの教訓を明らかにします。
その一つが「目指すリーダー像を明確にする」ことです。リーダーとして最も大事にしている3つの価値観は何でしょうか。そしてこの価値観をどう実践してきたのでしょうか。こうした問いに答えながら読み進めることで新たな気づきが得られるはずです。
特集2本目は「自己成長を求めるリーダーは遥かなる旅路を歩み続ける」です。これからのリーダーにはソーシャルスキルと呼ばれる幅広い対人スキルが欠かせません。それを身につけるには「出発」「航海」「帰還」という3つの段階があると、ロンドン・ビジネススクール教授のハーミニア・イバーラらは述べます。それぞれの段階における旅路と有用なヒントを紹介します。
特集3本目は「優れたリーダーは相反するアプローチを巧みに使い分ける」です。近年、リーダーは部下の話に耳を傾けて、権限委譲すべきだという話がよく語られます。ですが筆者らは、権限行使か権限委譲かという二者択一ではなく、それらを使い分けるべきだと結論づけます。こうした能力を高める4つのステップについて解説します。
特集4本目は「自分の思い描くパーソナルブランドを構築する方法」です。転職や昇進などにおいて成功を収めるためには、自分の価値を他人に認めてもらうことが欠かせません。このようなパーソナルブランドの築き方を7つの段階に分けて具体的にお伝えします。
特集5本目は、東京都副知事で元ヤフー社長の宮坂学氏へのインタビュー記事「『来た時よりも美しく』をモットーに、組織や社会を少しずつ変えていく」です。宮坂氏は、ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏やヤフー育ての親である井上雅博氏ら強烈なリーダーの姿を間近に見てきました。そこで気づいたのが、そのようなリーダーを無理に目指さなくても、リーダーシップを道具として使いこなすことでチームの飛躍的な成長が実現できるということです。無理難題への対処法については「時間を味方につける」という解決策を提示します。
どの論文にも共通するのが、自分自身に合ったリーダーシップを見つけ、それを道具として使い分ける重要性です。リーダー自身の成長がチームや組織を伸ばすことにつながるため、部下だけでなく自身の成長にいま一度目を向けてはいかがでしょうか。
小規模なチームから大組織まで、リーダーシップを発揮しているすべての方に、この特集が役立つことは間違いありません。 (編集長 小島健志)