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高い生産性、低い利益率
深刻な不況にあって、経営者たちは、コスト削減、売上げや市場シェアの拡大といった短期的な業績目標にやっきになる。その一方で、エコノミストたちは、事業環境全体の健全性を評価するために、GDP成長率、失業率、貿易収支といったデータを分析する。
しかし、これら伝統的な評価基準ばかり見ていると、長期的な変化を見落してしまう。そこには、これまで経済価値の源泉として当然視されてきたものを陳腐化する力が秘められている(実のところ、すでに時代遅れになっているかもしれない)。おそらく景気が回復しても、企業利益は依然、低迷し続けるだろう。
伝統的な評価基準だけでは、アメリカ企業とアメリカ経済が直面する課題やチャンスを把握できない。その理由として、とりわけ演算処理能力、帯域幅、記憶容量など、大半の産業を支えるデジタル・インフラが急ピッチで向上し続けていることが挙げられる。
たとえば、1世代前のインフラによって、電話や内燃機関など基盤技術にイノベーションが次々に起こり、あっという間に定着した。しかし現在、新しいデジタル・インフラには、まだ定着の兆しは見えない。
とはいえ、このことをひるがえすと、過去40年間で2倍以上になった競争集約度(競争の激しさ)が依然上昇し続けているだけでなく、デジタル・インフラがビジネス・イノベーションの可能性と必要性を高めていると考えられる。
経営者たちは、まさしく難局に直面している。その一助となるよう、今日の競争環境における、次の3種類の「変化の波」を理解するフレームワークを提示したい。
・大きな変化をもたらす「基盤」
・企業の生産性を高める知識など、資源の「フロー」