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1)競争力のカギは「資源生産性」
2)グローバリゼーションへの干渉
3)「脱」株主価値が信頼回復の早道
4)拡大する政府の影響力
5)再考「経営の科学」
6)消費パターンの変容
7)アジアは健在である
8)不況はチャンス
9)イノベーション投資を死守せよ
10)デフレ、そしてインフレ
非連続で不可逆な変化
危機管理体制が敷かれて丸一年経ったいま、ビジネス・リーダーたちは、あらためて未来に目を向けている。その多くが、戦略を再考するなかで、「世界は変わりつつある」と、はたと気づいたようである。
すなわち、「今回の混乱によって、ビジネス・サイクルに変調が訪れただけでなく、経済の秩序が再編されるだろう」と感じているのだ。このような印象は、はたして的を射たものなのだろうか。
この問題を明らかにするには、事業環境をかたちづくる基本的要因(フォース)について調査すると共に、非連続性の存在を確認する必要がある。
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、これら基本的要因のうち、新興市場の成長をはじめ、社会における企業の役割の変化など、きわめて重要性の高いものについて追跡調査を実施した。本稿では、今回の危機によって、これら基本要因がどのように変化するのかについて解説し、かつそのための戦略を提示する。
我々の考えでは、これまでの延長線をたどるトレンドもあれば、不確実性が表れているトレンドもある。また、新たな要因の登場を示す兆候もいくつか認められた(この点については、数カ月後に、より詳細な調査を実施する予定である)。
以上を総括することで、事業環境がどのように変化したのか、その全容が明らかになるはずである。危機が起こる前の世界に戻ることは、どうやら不可能のようだ。
(↗)上昇トレンド (—)安定トレンド (↙)下降トレンド
1. 競争力のカギは「資源生産性」
Resources Feeling the Strain(—)