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産業変化の4パターン
産業全体に起こっている変化を理解せよ──。そんなことは当たり前であると思われるかもしれないが、産業動向は必ずしも簡単につかめるわけではない。変化の兆候を読み損なって、間違った判断を下すといったことは毎度のことである。
自社が属する産業がどちらの方向に向かっているのか、これを正確に把握するには、ビジネス誌やアナリストなどの雑音をいったんシャットアウトし、自社の事業環境を長い目で見通さなければならない。私はその研究に長らく取り組んできた。その結果から、さまざまな産業の変化が描くパターンは、次の4種類に集約される。
(1)徹底的変化(radical change)
(2)関係的変化(intermediating change)
(3)創造的変化(creative change)
(4)漸進的変化(progressive change)
当該産業がどのパターンになるかは、2種類の「陳腐化への脅威」によって決定づけられる。
第1は、産業の「コア活動」(当該産業にこれまで利益をもたらしてきた事業)が陳腐化する脅威だ。コア活動が脅かされるのは、サプライヤーや顧客に新たな選択肢が示され、既存事業の存在意義が薄れてしまう場合である。
第2は、産業の「コア資産」(個々の企業が独自の強みとしてきた経営資源、知識、ブランド力など)への脅威である。コア資産が脅かされるのは、それが従来ほどの価値を生み出せなくなった場合である。