マーケティングの客観的評価方法

 すでに大多数の企業がマーケティングのスローガンを掲げている。しかし、それは口先だけのマーケティングになってはいないだろうか。マネジャーは「当社は、または私は、スローガンの通りに実行しているのだろうか」と、みずからに問うてみなければならない。

 残念ながら、我々のマーケティングに評点をつけてくれるような万能の審判官はいない。しかし、みずからそれを行う方法ならある。図表「マーケティング・マトリックス」が、それだ。これを使うと、マーケティングの考え方ではなく、より大切な行動の点で、自分や会社を採点することができる。

 マーケティング・マトリックスの横軸は、個人または会社の「顧客志向」のレベルを示す。最低は1で、最高は9とする。

 レベル1で最も有名な事例は、ヘンリー・フォードの生涯の汚点となったあの宣言「当社が黒色の車をつくる限り、人々が好む車の色は黒」である。

 レベル9は、セールスマンが顧客に向かって権限もなしに、また他の事情も考えずに、「他社がどれだけ値引きをしても、当社はそれ以上の値引きをします」と言うような場合を指す。つまり、このセールスマンは顧客の欲するものを無条件で与えるのである。