
橋本氏 もう一つは、経理部門の幅広い理解と経験を持ってビジネスパートナリングを実践し、CFOを目指す道です。ここでは、精緻な数値を出さなければならない部分とざっくりした数値で意思決定をサポートするというバランスやスピード感覚、そしてビジネスとファイナンスのかけ橋となるべく、数量と金額の両面からビジネスが語れるような経験・スキルが必要です。
ちなみに、デュポンのビジネスサイドの経営陣は、たいてい修士号を2つ持っているダブルマスターです。彼らはSVAを使いこなす計数感覚も持ち合わせているので、議論をしていても生半可な論理構成では通用しませんので、彼らと議論するには、ファイナンス部門の職務以外の研鑽も欠かせません。
あとは、英語に代表されるコミュニケーション能力は勿論ですが、クロスカルチャーの理解が必要でしょうね。例えば、あるパーティーに出席した際、外国人から奥さんを褒められれば、「だから結婚したんだ」と外国人には言い、同じ場での日本人には「うちの愚妻が云々」といったジョークをまじえての使い分けができるかどうか、ということです。
これくらいの使い分けが、場面場面に応じて出来るようになれば、個人レベルでの人間関係も築きやすくなり、交渉事もうまくいく。外資系と呼ばれているグローバル企業でも、最後は人同士の関係なので、この部分が非常に重要です。これから日本企業がどれだけグローバル化しようとしているのかは知る由もありませんが、覚えておいて頂ければ損はないと思います。