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モジュラー型組織は再統合が苦手
20年以上にわたり、組織のモジュール化は、複雑な組織ほどよく採用する構造の一つだった。そこには明快な論理がある。企業を明確なインターフェースを持つ独立した単位に分解すれば、柔軟性やスピード、そして拡張性が得られるというのだ。現代の多くの大手企業が、この考え方を中核に据えている。アジャイルなチームを動かし、プラットフォーム型アーキテクチャを導入し、分散型の事業単位によって管理するわけだ。
ところが、明らかに何かがうまくいっていない。筆者らが企業に助言したり調査したりしてきた経験では、新しいAIモデルを統合するには、数週間ではなく数四半期という単位の時間が必要になる。エコシステムにパートナーを組み込むには、そのつど、個別の交渉が必要となる。組織部門をまたぐリソースの再構成は、通常、いくつものガバナンス面での承認と、機能横断的な調整、そして長期にわたる連携を経て初めて、大規模に展開できるようになる。
これは、組織を再結合する上でのボトルネックだ。企業は、みずからを構成要素に分解することは上手くなったが、状況が変化した時、それを再結合することには慣れていない。組織のボトルネックは、設計からオペレーションへと移行したのだ。
状況は悪化するばかり
組織再結合のボトルネックは、3つの要因によっていちだんと顕著になり、大きなコストをもたらし、緊急性を帯びるようになった。
AIは柔軟な再配置を要求する
ある事業部門で開発されたAI機能(たとえば、不正検知モデル、需要予測エンジン、顧客リスク評価ツールなど)は、別の部門でも価値を発揮するかもしれない。だが、そのためには、技術的な移植以上のものが必要になる。データ・ガバナンスの整合性、規制当局の審査、モデルリスクの承認、そしてそのAI機能を開発した部門に、それを独り占めにせずに社内で共有するよう促すインセンティブが必要だ。AIが再統合のオプションを生み出すスピードは、ほとんどの企業の対応能力をはるかに超えている。
エコシステムが競争の単位になりつつある
競争優位が、物流パートナーやフィンテックプロバイダー、データサプライヤーなどのエコシステム参加者から成るネットワークに依存している場合、再統合は社内の取り組みに留まらなくなる。何カ月も交渉するのではなく、数日で新しいパートナーを組み込める企業がチャンスをつかむことになる。
戦略的な機会は縮小している
AIの普及や地政学的な変動の影響を受ける市場では、チャンスに気づいた時から、競争に対応できるまでの時間は短くなっている。組織再編に6カ月を要するモジュラー型企業は、もはやモジュラー型とはいえない。
では、企業はどうやってこの問題を是正すればよいのか。
モジュラー型からコンポーザブルな統合へ
アジア、中南米、欧州、北米の企業を対象としたプラットフォームの変革、組織のイノベーション、エコシステム戦略に関する調査を精査してみると、一貫したパターンが明らかになる。成功する企業は、より優れたモジュールを設計しただけでなく、既存のモジュールをスピーディに再統合できるようにするオペレーション・ルーチンを構築している。筆者らはこれを「コンポーザブル・インテグレーション」と呼んでいる。
コンポーザブル・インテグレーションを実現したいエグゼクティブにとって、最も重要なのは次の4つの取り組みだ。これらは互いに排他的ではない。優れた企業はしばしば複数の取り組みを同時に実践している。







