みんなと一緒は気持ち悪いという感覚を持ったほうがいい

伊賀 岩瀬さんは東大でそういう教育を受けたわけではないですよね? それなのに今のような道を歩いていらっしゃる。

岩瀬 僕の場合は、HBSへの留学経験が大きいです。あとは、帰国子女であることも影響しています。僕は小学校2年生から6年生までイギリスで暮らしたのですが、渡英する前は周囲のみんなと同じでないと不安な子どもでした。行った当初も周囲に同化したいと思ったのですが、金髪の子どもの中にひとりだけ違う色の肌と髪をした自分がいる。いつからか、自分は周りと違うのが当たり前になりました。それからは逆に、みんなと一緒であることが気持ち悪いと感じるようになった。その育ちが影響して、自分じゃなくてもできることではなく、人と違うことに挑戦したいと考えるようになったんです。

伊賀 みんな一緒という話でいつも思い出すのは、NHKの体操番組です。出演している3人の女性が、みんな同じような容姿で同じような体格なんです。あれを見ると、私はいつも北朝鮮のマスゲームを連想してしまいます。なぜもっと背の高い人や低い人、いろんな髪型の人、いろんな年齢の人、個性的なコスチュームを着た人などをまぜないのかなって思います。みんなが同じというのは不自然なことであり、人と違うことがどれだけ面白いかという感覚がもっと必要ですよね。

岩瀬 ウチの会社でそれを風刺した動画を作ったのですが、ご覧になりました?

 

 

伊賀 拝見しました。みんな違ってていいんだ、その方が自然なんだという感覚を養うには、若いときに海外体験をするとか、多様な人と出会う経験を積むことがすごく大事な気がします。

後編につづく。

 

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